2012年6月30日土曜日

「広域避難者支援ミーティング in 東海」に参加させていただきました

去る6月28日、JCN(東日本大震災支援全国ネットワーク)さんの主催する「広域避難者支援ミーティング in 東海」に協力しているFAJ(日本ファシリテーション協会)のメンバーとして、ボランティアファシリテーターとして、参加させていただき手来ました。会場は名古屋国際センターです。100名を大きく超える参加者さんが集まられ、非常に充実した物になっていたと思います。


こちらに公式ブログがありますので、あわせてご覧頂ければと思います。

 午前中にFAJのファシリテーターとグラフィッカー(板書)は集合し、打ち合わせを行い、ごご14:00からイベント全体が始まる、という非常にタイトなスケジュールの中の参加でした。

第1テーマでは「学ぶ」をテーマに事例紹介が行われ、第2テーマでは「知る」をテーマに、助成や公の支援団体等の紹介。そして、第3テーマでは「つながる」をテーマに、参加者さんが報告者さんとともに、分科会に分かれ話し合いのセッションを行う、という全体プログラムで、われわれFAJは第3テーマの分科会のセッションの進行と記録を担当しました。


各セッションが1時間くらいしたので、当然第3テーマも1時間。さらに、全体オリエンテーションと、自己紹介と、最後のシェアの時間を差し引くと、正味30分のセッションです。その限られた時間の中で参加者さんから少しでも沢山のお話を引き出し、「つながり」を演出するのがファシリテーターの仕事です。




 普段、自分で設計する時間にゆとりのある、「介入しないファシリテーション」いわゆる、放置プレイ(笑)を信条としているので、新しい学びが沢山ありました。

みなさん、ボランタリーな精神にあふれておられ、人道的な精神から、「支援したい!」という気持ちにあふれておられます。そのなかで、タイムキープをしつつ、しっかりと思いをうけとめ、場をホールドすることがファシリテーションの肝でした。
 普段から、しっかりとお話を受け止めることは心がけていますので、すこしはその部分についてはできたかなと思うのですが、もう少しみなさんの意見をコンパクトにしてもらう仕掛けか声がけがあってもよかったのかもしれません。
 最後に、FAJの先輩でいらっしゃり、今回僕のつたないファシリテーションのグラフィッカーをつとめて頂いた、Sさんに深く感謝。ありがとうございました。

2012年6月27日水曜日

広域避難者支援ミーティング in 東海

明日、6/28は名古屋国際センターで行われる、「広域避難者支援ミーティングIN東海」のお手伝いに微力ながらお邪魔させていただく予定です。

これは、「NPO日本ファシリテーション協会(FAJ)」の中にある、災害復興支援室のボランティアに参加するもので、当日の参加者さんの人数により、グループファシリテーターになるのか、記録者になるのかわかりませんが、微力ながら、できるだけのお手伝いをさせて頂きたいと思います。

ある意味、これもファシリテーターとしての「プロボノ」かな、と思っております。

当日の模様は可能な限りご報告しますね。

詳細はよろしければ、こちらです。

2012年6月26日火曜日

全国ボランティアフェスティバル〜ワークショップデザイン

どうですか、おいしそうでしょ(笑)。にわかにグルメブログみたいな写真ですいません。

今日は津市のカフェ&バー、そしてコミュニティレストランO+(オープラス)さんで、ランチを頂いてきましたよ。

今日のランチは夏野菜たっぷりのカレーに、冷や奴、それからなんだっけな、野菜が沢山の名前は分かんない料理(笑)それからポテトのサラダです。とってもおいしくて、¥800はとてもお得な感じがしましたよ。 (打ち合わせの先方にごちそうしてもらったんですけど(笑))今ブログを拝見したら、わかんなかった料理の名前は彩り野菜のサワー和えでした。

このレストランは、ワンデーシェフさんが日替わりで料理をしてくれますから、バリエーションも豊かなはずですし、何よりも、コミュニケーションが楽しいレストランです。場所はこちらです。ぜひお運びください。

 で完全にグルメブログみたいになっている訳ですが(笑)。今回の本題はこちらです。

来る9/29、30に開催されます、全国ボランティアフェスティバルみえのなかの、まちづくり部会の中の分科会11「コミュニティビジネスで地域を幸せにデザインする〜課題解決型ワークショップから学び・気付く3時間」というワークショップを池山がデザインし、メインファシリテーターを務めます。

参加費用は全国ボランティアフェスティバル全体で¥3000、そして学生さんはなんと無料です!ぜひお運びいただければ、と思います。詳細はこちらのHPでご覧ください。

今回は「課題解決型ワークショップ」と銘打ち、「課題」をとことん掘り下げたいと思っています。真の課題はなにか。課題と思われている物は本当に課題なのか。とことん掘り下げます。

定員は50名だそうです。早めに埋まってしまうと思いますので、ぜひチェックしてみて下さいね。今回はアシスタントのファシリテーターもドリームチームを結成します。ぜひ、ボランタリーなかたも、そうでない方も、お運びください。


2012年6月22日金曜日

映画「アポロ13」におけるリーダーシップ

先日、大好きな映画「アポロ13」をDVDで見直しました。何回目でしょうか、もう数えきれません。そして、見れば100%泣きます(笑)

100%泣くシーンは決まっていて、大気圏突入の交信途絶を破って、アポロのパラシュートが開くシーンです。映画はストーリーに集中したいので吹き替えで見ることが多いです。

さて、ご存知の方も多いと思いますが、「輝かしい失敗」といわれる、アポロ13号のミッションを少し振り帰ります。

不吉な号数である「13」を冠したアポロ宇宙船は、1970年の4月11日、13時13分に打ち上げられます。順調に飛行したように見えた宇宙船でしたが、酸素タンクの撹拌を行った時に、大きな衝撃と音が発生します。そうです、有名な、

「Houston, We've Got a Problem」

のシーンです。補足ながら、映画では「Houston, We have a Problem」となっていますが、実は「We've Got 」が事実らしいです(笑)

まあ、とにかく、酸素タンクを撹拌したら爆発が起きました。そして、酸素は燃料電池のために使うので、電力の多くの部分が失われてしまうことになります。そのため、宇宙船の中はヒーターも、コンピューターも使えず、宇宙空間は絶対0度ということもあり、非常に寒い状況の中、何日間か過ごして、地球に帰還しなければならないことになりまし
た。


そして、3人のクルーと、地上の管制官たちの懸命の努力により、二酸化炭素濃度の上昇、電力不足、大気圏の再突入角度調整のための手動のエンジン噴射など、数々の問題をクリアし、3人は無事地球に帰ります。


NASAの長官が記者会見しているシーンもありますが、まさに「NASA始まって以来のピンチ」を乗り越えたこの13号のフライトは、失敗は失敗でも「輝ける失敗」と後に評価されることになります。

その中で、クルーの一人、「フレッド・ヘイズ」は尿路感染症(wikiより:膀胱炎みたいなものでしょうか)に感染してしまい、高熱にうなされながらの宇宙飛行となりました。

今回は、リーダーシップについてこの映画から思ったことを書いてみたいと思いますが、僕がリーダーシップという視点で切り取るシーンは、ある程度の飛行が進んで、地球が近づいてきた時にこのヘイズと船長のジム・ラベルとの会話のシーンです。

ヘイズは妻が妊娠していて、「妊娠は事故なんだよ」と熱にうなされながらも、冗談まじりに切り出します。そして、「男かな、女かな」とジムに話しかけます。
その時にラヴェル船長の返事は「すぐにわかるさ」というものでした。


これには、伏線があり、ラヴェル船長は月面着陸がお流れになって、他のクルー2人ががっかりしながら月を見ているシーンで、
「僕は、地球に帰りたい」とのべ、「必ず帰るぞ」と明確な方向性を打ち出します。


これ以外にも、クルーの中には軋轢が生まれるシーンもあり(あくまでも映画のお話ですが)、そのなかでもラヴェル船長のリーダーシップが発揮されて行きます。

話は戻りますが「すぐにわかるさ」という言葉には、ラヴェル船長は「必ず帰るんだ」という意思を強くにじませている、と池山は感じます。そして、ヘイズの問いかけ「男かな、女かな」の中には、地球に帰れずに、我が子の誕生を見届けられないのではないか、というあきらめを感じます。熱も出ていて、酸素も電力もない状態ですからある意味仕方がない部分もあると思いますが。

リーダーシップとは。これは、とても難しい定義だと思うのですが、池山の考えるリーダーシップとは、チームが向かう先を知っていて、それについて確信を持っていて、一点の疑いも持ってないこと。もしくは、一点の疑いもないように見えること。リーダーはチームの「羅針盤」なのではないか、と考えています。

権利的に微妙ですが(笑)、この映画に対する強い愛を持ってアップします。毎回泣く決定的なシーンはこちらです。

映画そのものでは、ホワイトチームの(24時間態勢なので、いくつかのチームで管制官が活動しています)主任管制官ジーン・クランツを演じたエド・ハリスの演技は最高でしたね。アカデミーの助演男優賞にノミネートされたのは納得です。

 そして、昨年NASAのスペースシャトル退役のドキュメンターリでジーン・クランツ本人を初めて見たのですが、イメージがエド・ハリスにそっくりで驚きました。まさにはまり役、ということでしょうね。

2012年6月20日水曜日

ラララ大作戦、進行中!

今日はスピンオフプロジェクト「DSP」〜ラララ大作戦のMTG日でした。「ラララ大作戦」の詳細はこちらをクリックしてください。


ラララ大作戦!

もはや、DSP名物となって来ました、KJ法を本日もやりましたよ。
KJ法は、三重県出身の文化人類学者川喜田次郎先生のイニシャルをとって名付けられた手法で、バラバラの要素をグルーピングすることによって、上位概念に気付き、それを発想につなげて行く、という手法です。

今回は100枚弱のポストイットを分類しましたが、大きな気づきを得られました。それは、多いと予想していた分類項目に、要素が意外と少なかったことです。想定が違っていたことがわかりました。

ラララ大作戦、確実に前進していますよ!
来月号(10日発行)の「iしてる」ではいよいよ、Love Land Labo(ママによるアイディアラボ) の募集が始まりますよ!お見逃しなく!

【ちょっとしたイクメン話募集中!】
 
パパのちょっとしたイクメン話を大募集!「壊れちゃったチビちゃんのおもちゃを直してくれたよ!」「ママが疲れているときに洗い物をしてくれたよ」なんていう、かっこいいパパの「ちょっとしたイクメンエピソード」を大募集!応募方法は、メールでお気軽に♪ご応募ください♪写真つきだって、大歓迎!!
ご応募いただいた「ちょっとしたイクメンエピソード」は「iしてる」のWEBサイト、そしてこちらのWEBページでもで紹介しちゃいますよ!
さあ!ラブ・ランド・ラボ、略して「ラララ大作戦」始動!

(株式会社オフィスドットコムHPより)

詳細はこちらをご覧ください!



2012年6月18日月曜日

津市NPOサポートセンター様研修終了しました

17日に、津市にありますNPOさん、津市NPOサポートセンターさんで、創造性とコミュニケーションに関する研修をアイディアラボ〔β〕の出張ラボ、ということで実施させていただいてきました。津市NPOサポートセンターさんは、センターパレスの津市市民活動センターさんの指定管理者などをされているNPOさんです。

 ご参加いただいたのは、職員さんと、インターンの学生さんなどを含めた約20名さんでした。午前、午後あわせて6時間ほどの長丁場の研修でしたが、非常に皆さんの集中力も高く、良い研修になったのではないか、と思っています。



午前の部(第1部)を米山が担当し、午後(第2部)を池山がが担当しました。池山のパートでは、今回は「ブレインストーミング」にこだわり、数セットに渡りみなさんにブレインストーミングをしてもらいました。



今回、ブレインストーミングの4つのルールを説明するとともに、そこに至るまでにコミュニケーションのデザインが必要であることをお話ししました。


参加のみなさんの集中力が高く、非常にやりやすい研修となりました。








6時間にも及ぶ長丁場の研修ですので、大変だろうなあ、とこちらは思っておりましたが、終了後にうかがったら、「まだまだ大丈夫!」と頼もしいお話をいただきました。






最後のポスターセッションも非常に盛り上がりました。

このように、アイディアラボ〔β〕では、NPOさんを始め、企業さん、自治体さんなどでの出張ラボのご用命を承っております。費用、日程のご相談等、お気軽にikegaku@gmail.comまでお尋ねください。

2012年6月16日土曜日

なぜキキの魔法は弱くなったのか〜鑑賞の作法

わけあって、「魔女の宅急便」のDVDを鑑賞しています。

なぜか。 

「なぜキキの魔法が弱くなったのか」が気になったからです(笑)。

 詳しくはぜひ見ていただきたいのですが、トンボと始めて打ち解けて、トンボのプロペラ付き自転車で走った後、トンボとけんか別れのようになり、キキの魔法は弱くなります。

まず、発端は相棒のクロネコ、ジジの言葉がわかんなくなります。
これは、それまでジジが特別なのではなく、キキの魔法で猫の言葉がわかっていたにすぎなかったようです(wikipediaより)。

 さらに、危機を感じたキキは(シャレではありませんよ)、ホウキで飛んでみようとしますが、飛べないことに気がつきます。

その後、森の中の絵描きのウルスラの小屋に泊まりに行き、彼女の絵が描けなくなることがある、という話を聞きます。 

そして、トンボの危機に瀕して、キキの魔法は復活していくことになります。復活できたのは、「強い思い」があっからのように思いました。 

この作品をもう一度見ようと思ったのは、「なぜキキの魔法が弱くなったのか」ということについて、自分の中に答えがなかったからです。

そして、今見直してみても、作品の中に明示された原因はないように思います。

そして、それでいいのかもしれない、と思いました。
 われわれは、「作者の意図」を類推する鑑賞の仕方を子供の頃から強いられているのかもしれません。

キキの魔法が弱くなったのは、「トンボとけんかしたからだ」と思う人もいれば、「エゴが出たからだ」という人もいるかもしれません。
見る人10人に10個の「キキの魔法が弱くなった理由」があっていいのかもしれません。

 鑑賞する作法というのは、もしかすると、キキの魔法が弱くなった理由と同じで、一つの答えはなくて、見る人によって違うものなのかもしれない、と思いました。

2012年6月9日土曜日

DSP一部ロールオフ!〜ラララ大作戦始動!

さて、お待たせしました。以前からお伝えしていた、アイディアラボ〔β〕のスピンオフプロジェクト、DSPが一部そのベールを脱ぎます。明日発行のフリーペーパー「Iしてる」6月号をぜひ手に取っていただき、ご覧ください。伊勢市を中心に、スーパー等で絶賛無料配布中です。また、保育園、幼稚園でのお子様への手渡し配布もしておりますので、もしかするとそのチャンネルで手に入れられる方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回、アイディアラボ〔β〕は「Iしてる」発行元の「株式会社オフィスドットコム」さんのある一つのプロジェクトを全部企画させていただくことになりました。そして、この夏、ママと子供の笑顔があふれる子育ての島、「ラブ・ランド」を研究する機関、「ラブ・ランド・ラボ」を発足いたします!


この「ラブ・ランド・ラボ」では、現役子育てママさんに「研究員」としてご参加いただき、「いかに、ママと子供を笑顔にするか」を研究していただきます。そのテーマは、ズバリ「それってイクメンなんだ!」



そうそう、お近くのちょっとしたイクメン話」も大募集中です!ご応募いただいた「ちょっとしたイクメン話」はオフィスドットコムのHPで紹介しちゃいます!

「ラブ・ランド・ラボ」の研究員募集は、来月から始まりますよ。それまでに、少しずつこちらでも情報を発信して行きますね!

さあ、「ラブ・ランド・ラボ」略して「ラララ大作戦」この夏始動です!

「ラララ大作戦」詳細は、こちらのページでご覧ください。

2012年6月8日金曜日

12人の怒れる男


十二人の怒れる男 出演 ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、リー・J・コップ、 エド・ベグリー 


なんと、DVDが¥980だったので、買い求めて改めて、見てみました。この時代の映画っていうのは、今に比べると非常に演劇的ですね。特にこの作品は、舞台が陪審の審理をする部屋とトイレと、法廷くらいしかなく、90%が陪審の部屋なので、なおさらそう思うのかもしれません。

12名全員が映るカットでの、役者全員の演技がすごい。冒頭で、陪審員全員が入室してくるロングカットがあるんですが、それがすごい。どこまで台本に書いてあるのか気になるところです。

あらすじは皆さんご存知のことと思うので、ほんの少しだけ。ある殺人事件について、12名の陪審員が審理をする訳ですが、一番最初の評決では、11:1で有罪が圧倒的多数。しかし、陪審は12名全員一致を建前とするので、その1名だけのために、話し合いが始まります。話はそれますが、陪審員が12名っていうのは、どうしてなんでしょうね。12使徒とかに関係があるのかな。。。
あと、陪審員全員が白人の男性です。無作為に抽出したのなら、そうはならないはずなので(最低、半分は女性のはず)、時代を感じます。公民権法が1964年ですから、そういう時代ですね。ちなみに、この映画公開の1957年の前年1956年には、有名なローザ・パークスさんの事件で、最高裁がバス車内における人種分離(=白人専用及び優先座席)」を違憲とする判決をだしています。でも、実情はまだこうだった、ってことですね。

話は戻って、その一人、ヘンリー・フォンダ演じる、陪審番号8番の男は他の陪審員の罵りまじりの「お前は本当に無罪だと思うのか」という質問に対して答えます。

「わかりません。だから、話し合いたいんです。」

すばらしい。この映画はぜひ、Mブリッジ「ダイアログチーム」の課題DVDにしたいと思います(笑)

話し合いが進むにつれて、意見を変える陪審員が増えて行き、最後には1:11で無罪に傾いて行きます。ヘンリー・フォンダ演じる主人公はこう言います。

「どんな場合でも、個人的偏見抜きで物事を考えるのは容易ではない。偏見という眼鏡は真実を見えなくしてしまう。」

まさに、これはダイアログに向かう姿勢を表しています。あらゆる偏見、思い込み、想定を排除して対話に向かう姿勢こそが、大切だと考えています。その中には、自分の意見が正しい、という思い込みさえも含まれます。

あらゆる知識は実は他人からの受け売りであり、自分の知識や意見に固執することは実はナンセンスです。この映画の登場人物の台詞でもありましたが、

「はじめは有罪だと言ったのに、意見を変えるのか!」

あらゆる想定を棄てて対話をすると、自分の考えが正しくなさそうだ、と思う時もあります。その場合には、自分の意見を変えても良い。自分の意見すら、他人の意見と同じように客観視する。


ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ デヴィッド・ボーム、 金井真弓


この本の著者である、ボームは「自分の意見を洗濯物のように見る」と表現していますが、他人の意見と自分の意見をあたかも、等しく風にゆれる洗濯物のように客観視する、という姿勢が対話には必要だ、と述べています。

いずれにしても、この映画にはファシリテーションに関するいろんな論点が詰まっています。この映画を見てから、みんなで対話をするのは非常に面白いように思います。こんど、Mブリッジ「ダイアログメンバー」で内部研修としてやってみたいと思いました。

2012年6月7日木曜日

ローマは一日にしてならず〜DSPミーティングによせて

昨日はアイディアラボ〔β〕のスピンオフプロジェクト、「DSP」のミーティングでした。「果物好きやなー」といわれながら、昨日のおやつは初物のスイカを用意しました(笑)メンバーにも時々ピンチヒッターをお願いしますが、基本的には池山がおやつと飲み物を買いにいっています(笑)

さて、もうすぐDSPのプロジェクトのロールアウトなんですが、その前なのでまだないようにつてはお話しできませんが、昨日は非常に有意義なMTGでした。

メンバーの皆さんもこのブログを読んでくれると思うので、少し思うところを。MTGの最後にメンバーの一言で、MTGの流れががらっと変わって、あれよあれよ、と言う間にピースがカチ、カチとはまって行った感のあるMTGでした。

(写真はSWOT分析のチャートですが、ちょっとぼかしてあります。この段階では結論は予想もしない物です。)



そんなMTGを「最後に鶴の一声みたいに決まっていくなら、それまでの前半部分は無駄?」と思ってしまいがちですが、そうではないと思っています。

むしろ、それまでの過程があるから、その結論になったと考える方が良いと思います。MTGでは人は思っていることを100%言う訳ではありません。自分のことを振り返ってみてください、会議で100%思っていることを言う訳ではきっとないと思います。

その中で、「決め」になる一言を引き出す、ということ。その「決め」になる一言はとても傷つきやすく、ナイーブであることが多いです。「どうせ言っても笑われるよ」「もうあのことは終わったんだな、言わなくていいんだ」などというその一言を言わせない沢山の理由を蹴散らして、その「決めの」一言が誰かの口から出るために、それまでのMTGは存在しているのかもしれません。

言い換えると、それまでの部分がなければ、その一言は世に出ることがなかった、と言えるでしょう。その一言を引き出すために。ファシリテーターが必要とされるのです。

ローマは一日にしてならず。言い換えれば、それまでの一日一日は、ローマの繁栄のためにあるだと思います。

2012年6月6日水曜日

一座建立~佐々木俊尚「キュレーションの時代」より

この書籍からのご紹介。「キュレーション」今の時代に非常に気になる言葉です。簡単に言うと、生み出す人とそれを世に出す人がいるよね、ってことでその世に出す、または紹介する人を「キュレーター」といい、その行為を「キュレーション」という、、とまあ、こんな感じです。今のインターネットのサービスとしては、「まとめ」系のサービスがこのキュレーションにあたります。

この一冊をご紹介するのは、本論ももちろんなんですが、その中に例として挿入されているお話がどれもいいです。ブラジル人ミュージシャンのジスモンチだったり、千利休であったり。

その中で、これはワークショップやファシリテーターにとっても重要だなと思った挿話をご紹介。

茶道では、三宗匠(さんそうしょう)といわれるうちのふたり、千利休と井上宗久とのお話です。

かいつまみますが、ある冬の夜ふらりと井上宗久が千利休の庵を訪ねます。そこで、利休は「せっかく来ていただいたのだから、水を代えましょう」と席を立ちます。
その間に、宗久は「これから水を足して、私の分も入れてくれるとなると炭を足したほうがいいにちがいない」と考え、棚から炭を取って炭を足します。

戻った利休にその話をして、「差し出がましいとはおもいましたが、あなた様の手を煩わるもの忍びない、と思い、炭を足しました」というと、千利休は痛く感心し、「あなたのようなお客を迎えることは非常な喜びだ」といい、その後もこの話をして、宗久をほめた、というとです。


このお話で何が言いたいかというと、こうやって「主客一体」になって、お茶の席を作るものなんだなあ、と思ったということです。これは、ワークショップでも同じ。ファシリテーター、事務局、主催者の独りよがりではよいワークショップはできません。参加者のみなさんが一緒になって、場を作る、そのことを「一座建立」と茶道の世界では言うそうです。

そのためには、「おもてなしの心」をもってワークショップを作ること。そして、参加者さん一人一人のそれまでを認めて、否定しない。「ここにいていいんですよ」という気持ちとともに、共感をもって参加者さんのお話を聞く。こういったことが大切なんだなあ、とふと思いました。

すいません、お茶については全くの素人です。心得のあるかた、もし間違ったことを書いていたら、教えてくださいね(*^_^*)